これまでに、他社が製作したウェブサイトをリサーチのために精査する機会が多くありました。 その中で一番多い問題が、「文字の扱い」についてです。簡単に言ってしまえば「読む気が失せる」 サイトが非常に多いように感じられます。「新聞や雑誌は細かいところまで読むし、内容も頭に入りやすいけれど、 ウェブの記事などはたいてい斜め読みをしてしまい、細かいところまで頭に入らない」と感じている方は多いのではないでしょうか。これは大企業のウェブサイトであっても例外ではありません。 大多数のウェブ制作会社は、「紙媒体とウェブサイトは別物だ」と考え、文字や文章の細部にまでこだわることを 怠っていたり、「プログラム(コーディング)上手間がかかるから」という理由で当初から諦めたりしています。 しかし、これからは電子書籍などの台頭によって、ウェブサイトを始めとするデジタルメディアにも、可読性や 認識性が求められることになることは必然です。
では、文字表現における主な「ダメな例」を挙げてみましょう。
これは、大手ポータルサイトですらクリア出来ていないことが多いのですが、 ウェブサイトの記事を読む気がしない原因の一番の理由です。 サンプルをご覧ください。 わかりやすさのために多少の誇張をしていますが、Aは同じ行を何度も読んでしまいそうになります。 大手ポータルサイトなどの記事は、Aほどでないにても、行間が詰まり過ぎであることが多いです。 ニュース記事などはもっと行数が多いので、読むのが大変です。行間の設定は、プログラム上の難しい技術などはまったく必要ないので、単に制作者が無感覚であることが原因であると考えられます。
行長が長すぎるという問題は、ウェブに限らず、PowerPoint等で作成した文書にもよくみられることです。 これもまた、1と同様に同じ行を何度も読んでしまう原因となります。 先程のサンプルの行長を変更してみます。 これで、より実感が深まったのではないでしょうか。 「行間が狭く、行長が長い」文字組は本当に読みにくいのです。 ある程度メジャーな本や雑誌ならば、こういったことはほとんどありません。 反対に、「自称」ウェブデザイナーには、こういった要素に気を使わない人がかなり多いように思えます。
1「行間」、2「行長」に次いでよく見られる問題が、見出しと本文のメリハリの無さです。 本や雑誌・新聞などをよく見ると、見出しのつけ方に非常に気を遣っていることがわかります。 特に新聞は、見出しだけを読んだだけでもある程度の内容が瞬時に把握できるようになっています。 新聞は100年以上の歴史があり、その中でこのような見出しのつけ方のノウハウが蓄積されています。 それなのに、なぜウェブサイトにそのノウハウを生かさないのかが、不思議でなりません。 細かい話をしますと、Aの見出しはウインドウズでネットを見たときによく見られる「MSゴシック」を ウェブ制作ソフト上でボールド処理したものです。Bは「游ゴシック体E」の字間を微調整したものです。一見Aでも問題なさそうですが、美しくないうえに、メリハリがありません。 Bのように見出しを設定するのは、プログラム上手間がかかりますし、文字を画像化するのでデータとして若干重くなります。ウェブ回線が細かった10年前であれば、Aの方が早く表示されるため、仕方がなかったと言えますが、ブロードバンドが当たり前の現在では、手抜き以外の何者でもありません。
- 文章が読みにくい(行間が狭い・行長が長すぎ)
- 見出しと本文のメリハリが無い(例外として均一さを重視しているデザインもある)
- 01 怪しい!カッコ悪い!―デザインコンセプトがダメな場合"
- 02 ごちゃごちゃしていて、わかりにくい!―レイアウト・導線がダメな理由
- 03 なぜか、雑誌などと比べて読む気がうせる―文字の扱いがダメな理由
- 04 写真やパーツが汚い!―写真・画像処理がダメな理由
- 05 TOP画像になぜか白人(笑)―TOP画像がダメな理由
- 06 全然更新されてないけれど、この会社大丈夫?―更新されないサイトがダメな理由
- 07 図解!これがダメサイトだ!―ダメサイト事例サンプル(1)
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